![]() |
CLANNAD(VisualArt's/Key/2004)
4年近い沈黙を破ってついに登場のCLANNAD。前評判通り高いクオリティのシナリオと音楽がプレイする者の感情を揺り動かします。笑いあり泣きありの、さすがKeyといわざるを得ません。プレイ時間はおよそ30〜40時間。全キャラで結論が違うため、同じ結末を何度もみる、という苦労はありません。その代わりゲームの根底である「家族」というものが形を、姿を、言葉を変えてでてくるのでくどく思う可能性もあります。10シナリオ超が同じEDロールなのでそれも飽きてくるかも。ただ。ただ一つ言えるのはぜひともプレイはして欲しい作品だということです。Keyにしては久しく後味の悪いEDもありますが……。
僕たちは登り始める。この長い、長い坂道を。
父親とのある出来事がきっかけで社会を斜にみるようになってしまった主人公が高校最後の年を通じて出逢う人々との、ありふれた学園生活から始める、人と町の物語。
処女作Kanonから通じてKeyが訴えている「家族愛」を如実に表している作品、それはCLANNADです。メインヒロインである古河渚のシナリオを中心に10本以上のシナリオが組み込まれています。基本的に、前半はヒロイン達との出会い、親友春原とのくだらないけど大切な日々、後半は「家族」というものを中心に据えたシリアスストーリになります。
まず前半。これはもう単純に笑い転げてください。春原とのやりとりは慣れないうちはついていけませんが(事実オレがそうでした。テンション高いのは冷めてしまうと寒いものです)一度、シナリオの中に入ってしまえばもう腹が痛くなることうけあい。この辺りは「それ散る」に近い雰囲気があるかも知れません。
中盤から後半にかけて少しずつ各キャラクタがもつ背景を知ることになります。この辺りからはもうハンカチなしではかなり難しくなってきます。春原とのやりとりがもはや救いになってくるほどの怒濤のシナリオ展開。この辺りはさすがといえるでしょう。
作中、「光の玉」という概念があり、これを8個(シナリオ展開によっては7個)集めると渚クリア後のお話であるAfterStoryシナリオが出現します。このシナリオでまた光の玉を5個、合計13個あつめると完全クリアとなります。正直ここまで攻略の難しいフラグ管理にしなくてもいいと思うのですが……。
AfterStoryはKeyお約束の生と死、出会いと別れを強く激しく描いています。攻略上AfterStoryは3周しないと完全クリアを迎えられないのですが、1週目が予想以上に厳しいものとなります。そのため3週目のグランドエンディングが霞んでしまうほどです。1週目は非常によいシナリオ展開です。ただその結果のEDと3週目EDとがパラレル世界となってしまうため、すっきりとした終わり方を得られる気がしません。そこが非常に減点となるのではないでしょうか。
そのほかおまけシナリオが非常に充実しています。2週目、3週目でセリフが変わったり演出が豪華になったり笑い度数がパワーアップしています。草野球編、おまじない編(とくに杏)とかは必見ですね。ここまで作り込んでいる作品はあまり例がないのではないでしょうか。
本作プレイ後は、間違いなく「家族」に対する考え方、接し方にすくなからずの影響を与えることでしょう。色んな意味を込めて、非常にKeyらしい作品であるといえます。
残念ながら全年齢対象作である本作にはHシーンはありません(笑。CVもありません。
本作には非常に多くのキャラクタが登場します。意外な人物まで攻略可能です。いまだかつて、BAD以外で男キャラを攻略できるゲームが存在したであろうか(苦笑
まずメインヒロインである「古河渚」。彼女とのストーリが本作の根幹です。最初は何事にも内気だった彼女が強く成長する様は思わず応援したくなります。
主人公の数少ない友人である「藤林杏」とその双子の妹「藤林椋」。非常に勝ち気な姉と引っ込み思案な椋のシナリオは主人公のヘタレ具合がみていてもどかしいです。
図書室の主である「一ノ瀬ことみ」。なんとなく澪を思い浮かべるキャラですが、オレは彼女のストーリが一番泣けました。あの展開はオレの最も苦手とするものです。
渚の恩師の妹である「伊吹風子」。非常に愉快な彼女は見ていて飽きないですね。大好きなヒトデでトリップしているときの彼女は非常に愉しそうで可愛らしいです。
元女番長の「坂上智代」は本作の中で一番えっちぃかもしれません(苦笑。真面目で融通はあまり利きませんがかなり一途な女の子です。
資料室の主である「宮沢有紀寧」は佐祐理の雰囲気を持った女の子です。彼女のシナリオをクリアすることで光の玉について何か知ることができるでしょう。
学校寮の管理人「相良美佐枝」さんは年上の魅力を持った女性です。
「春原芽衣」は悪友春原のまともな妹です。学園の王道物語風になっています。なぜか独立シナリオを持っている「幸村俊夫」は主人公らの1年の時の担任です。実はこのシナリオが一番学園物語っぽいのは気のせいです。旅の果てに流れ着いた「柊勝平」は正直一番感情移入できなかった不遇のキャラクタ(苦笑。あと忘れてはいけないのが渚の両親である「古河秋生」「古河早苗」夫婦。この親にしてこの娘あり、といった感じの非常にいい両親です。彼らの愛情は山よりも高く、海よりも深く。それを知ってしまった以上、After1週目が辛すぎるんですよね……。
共通ルート後のシナリオは、有紀寧・芽衣・椋・美佐枝・幸村・柊は比較的短い展開となります。ってほとんどですね(苦笑。事実、彼らは(スキップ機能も使いましたが)ほぼ一日(10時間)でクリア可能でした。
キャラクタはKanonと時と同じくバストアップ画像となっています。今回は変な口癖をつけるキャラクタなどはいないためにかなりリアルさが増していると思います。残念なのはイベント時の一枚絵と通常の立ち絵でデッサンとクオリティが異なっていたことですね。クオリティ自体は一枚絵の方が高いです。ただ見慣れている立ち絵のクオリティとの間に差がでてしまっていました。一枚絵なのでそれだけならまだいいのですが、デッサンが異なっているのも手伝い、オレの評価としては一枚絵の出来が悪い、と言わざると得ません。だって明らかに顔が違いますもん……。全部が全部というわけではありませんが、そこが非常に残念でなりません。開発に4年も掛けた以上、初期と終盤で描き方が変わってしまうのは仕方がないことなのかもしれませんが、そこはしっかりと管理してほしかったです。
作品の傾向上、AIRと同じく悲しめの曲がやや多めです。アレンジも含め全51曲。さすがは元祖音楽重視メーカです。
歌付きは全4曲。OP「メグメル」、ED「-影二つ-」、挿入歌「Ana」、ED2「小さなてのひら」となります。今回はI'veのようでI'veではない模様です。どれも良い曲だとは思うのですが、KanonのOP、ED、AIRのOP、EDと比べるとあと一歩といった感じでしょうか。なんといえばいいのか……。まずOPですが、ムービの出来はいいのですが、AIRのときに感じた「来た来た来た!」って感じがなかったんですね。……まあAIRが尋常でなかったのもありますが。EDもスタッフロールへのスムーズな以降ができていなかった気がします。決して悪いわけではありません。全曲ともに好きな曲リスト入りですがやはり比較対象となる全2作が演出からなにから良すぎた……。といいつつも影二つとかはずっとループ演奏させているんですがね……。まあ全クリ後なら曲調とか歌詞の意味がわかるので超名曲になるんですが(苦笑
BGMおよびその演出方法はさすがはKey、間違えていません。ここぞというときに「潮鳴り」ですよ。ことみシナリオのときはシナリオ演出もあり、不覚にも涙をこぼしてしまいました。Kanonでいう「夢の跡」ですかね、位置づけとしては。他にも名曲・泣曲がそろっています。一言で言うなら、ヤヴァイです。お気に入り曲は「潮鳴り」「は〜りぃすたーふぃっしゅ」「同じ高みへ」とボーカル曲すべてです。
システムはいままでのAVG32ではなくRealLiveというシステムに変わっています。演出力などの表現の幅は広がっていますがやはりなれたVisualArt'sシステムの雰囲気は持っています。動作は重たくもなく軽くもなくほどほどでしょうか。不満点として、オートモードが不安定なことがあります。マウスを動かしたりアクティブウィンドウを変えたりすると止まったりすることがあります。このあたりどうにかして欲しかったです。オートスキップは非常に優秀です。コンマ1秒単位でスキップ時間を決定できます。オレは0.02・0.2(0.4s/char)がちょうど良かったですね。
初回得点版にはおなじみのアレンジサントラが付属しています。ほか通常版も発売になっていますが、ここはやはり初回版をオススメします。
今年はFateとCLANNADが二大巨塔でしょう。ぜひともプレイして欲しい作品です。……凹みますが。
copyright(c) 2000-2006, wch
![]() |
毒れびゅー(読むな危険)
号!泣! かなり久しぶりに涙をこぼしてしまいましたYO! それほどよかったのですが、やはり死を絡めている以上、重たい雰囲気、凹みの雰囲気があります。特にAfter1週目を見てしまうともうアリエマセン。3週目との整合性をどうするか、どっちをとるかは
二次創作プレイヤの気持ちひとつなんでしょうが、すくなくともオレの中では1週目がTRUEとなっています。演出上、この順番になったのだと思いますが、やはりきついものがあります。これを見るとKanonのご都合主義が欲しくなるんですが……。